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〜 てんかん診療専門クリニック 〜





* 雑 感



てんかんクリニック開院後1年間が経過して


 岐阜市にてんかん専門クリニックを開院して、1年間が過ぎました。
 お蔭さまで、患者さんも、ゆっくりですが着実に増え、開院時初診で来られた患者さんも、その多くで症状が落ち着いて来てみえます。
 この1年間の仕事としましては、当然、その主体は「抗てんかん薬処方調整による発作抑制」でしたが、印象に残ったことは、「副作用対策としての抗てんかん薬変更」でした。
 具体的には、発作は止まったものの、日中の眠気でQOLが低下していたり、血液検査の異常値が年余にわたり続いているケースです。
 こういった事例で、カルバマゼピンやフェニトインを、ゾニサミド以降の新世代と呼ばれる薬剤と交換する作業です。
 数多くの患者さんで、この交換作業が順調に進んでいます。
 可能であれば、そのまま漸減・中止できれば、ベストなのでしょうが、まだ寛解期間が短かったり、寛解状態に至るまでに非常に苦労された患者さんは、「一気に中止」より「マイルドな薬剤への変更」を、希望されるようです。
 こういう交換作業が可能になったのも、ここ数年、2006年ガバペンチン、2007年トピラマート、2008年ラモトリギンというように、抗てんかん薬の選択肢が急に増えたお蔭です。
 もう一つ印象に残ったことは、初診の患者さんが、一様にビックリされることです。
 「完全予約制で、待合室で待たされることなく、カラー刷りの資料で説明を受け、2時間の診察」となると、非常な高額を覚悟されるようなのですが、当クリニックは、当然保険診療なので、通常のお値段です。
 「やっすー」と思わず叫んだ女性も何人かみえました。
 そういったことで、経営上は苦しいのですが、世の中のお役には立っているのだろうなと、自分に言い聞かせ、開院2年目の抗てんかん薬調整作業を、黙々と続けています。
 以上、開院後1年間が経過しての印象を綴ってみました。
 これからも、これまで通り、よろしくお願いいたします。

 平成21年6月2日(火)


なかむらクリニック

中村 仁





この項終了

平成21年6月2日(火):公開



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