〜てんかん診療
専門
クリニック〜
「米国エキスパートオピニオン2005」
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米国のグループが発表しています論文の内容をご紹介します。
論文の題は、“Treatment of epilepsy in adults: expert opinion, 2005”(「成人てんかんの治療:専門医の見解2005年版」)で、通称エキスパートオピニオン2005と呼ばれるものです。
アメリカ合衆国のてんかん専門医を対象に、アンケート調査を実施し、その結果をまとめたものです。
原著では、アンケート結果は図で示され、「適切」「中間」「不適切」の3群に分けて評価されています。
図で表示されているため、「適切」と「中間」との境界および「中間」と「不適切」との境界に、またがって存在する薬剤が、それぞれあります。
今回は、箇条書きで示しますので、境界線上にまたがる薬剤は、それぞれのグループに重複して示すことにしました。
また、現在国内未承認の薬剤は、治験中のものも含め、省略しました。
表1.特発性全般てんかんの
「全般性強直間代発作」の初期治療
に用いる薬剤:
* 適 切
01.バルプロ酸ナトリウム(デパケン、ハイセレニン、セレニカRなど)
02.ラモトリギン(ラミクタール)
03.トピラマート(トピナ)
04.レベチラセタム(平成22年登場予定)
05.ゾニサミド(エクセグラン)
* 中 間
04.レベチラセタム(平成22年登場予定)
05.ゾニサミド(エクセグラン)
06.フェニトイン(アレビアチン、ヒダントールなど)
07.カルバマゼピン(テグレトール、テレスミン、レキシンなど)
08.フェノバルビタール(フェノバール、ルピアール、ワコビタールなど)
09.クロバザム(マイスタン)
10.クロナゼパム(ランドセン、リボトリールなど)
* 不適切
09.クロバザム(マイスタン)
10.クロナゼパム(ランドセン、リボトリールなど)
11.ガバペンチン(ガバペン)
12.エトスクシミド(エピレオプチマル、ザロンチンなど)
表2.特発性全般てんかんの
「欠神発作」の初期治療
に用いる薬剤:
* 適 切
01.バルプロ酸ナトリウム(デパケン、ハイセレニン、セレニカRなど)
02.エトスクシミド(エピレオプチマル、ザロンチンなど)
03.ラモトリギン(ラミクタール)
* 中 間
04.ゾニサミド(エクセグラン)
05.トピラマート(トピナ)
06.レベチラセタム(平成22年登場予定)
07.クロナゼパム(ランドセン、リボトリールなど)
08.クロバザム(マイスタン)
* 不適切
07.クロナゼパム(ランドセン、リボトリールなど)
08.クロバザム(マイスタン)
09.フェノバルビタール(フェノバール、ルピアール、ワコビタールなど)
10.フェニトイン(アレビアチン、ヒダントールなど)
11.ガバペンチン(ガバペン)
12.カルバマゼピン(テグレトール、テレスミン、レキシンなど)
表3.特発性全般てんかんの
「ミオクロニー発作」の初期治療
に用いる薬剤:
* 適 切
01.バルプロ酸ナトリウム(デパケン、ハイセレニン、セレニカRなど)
02.ゾニサミド(エクセグラン)
03.レベチラセタム(平成22年登場予定)
04.トピラマート(トピナ)
* 中 間
02.ゾニサミド(エクセグラン)
03.レベチラセタム(平成22年登場予定)
04.トピラマート(トピナ)
05.ラモトリギン(ラミクタール)
06.クロナゼパム(ランドセン、リボトリールなど)
07.クロバザム(マイスタン)
* 不適切
08.フェノバルビタール(フェノバール、ルピアール、ワコビタールなど)
09.エトスクシミド(エピレオプチマル、ザロンチンなど)
10.フェニトイン(アレビアチン、ヒダントールなど)
11.ガバペンチン(ガバペン)
12.カルバマゼピン(テグレトール、テレスミン、レキシンなど)
表4.症候性局在関連てんかんの
「単純部分発作」の初期治療
に用いる薬剤:
* 適 切
01.カルバマゼピン(テグレトール、テレスミン、レキシンなど)
02.ラモトリギン(ラミクタール)
03.レベチラセタム(平成22年登場予定)
04.トピラマート(トピナ)
05.フェニトイン(アレビアチン、ヒダントールなど)
* 中 間
04.トピラマート(トピナ)
05.フェニトイン(アレビアチン、ヒダントールなど)
06.バルプロ酸ナトリウム(デパケン、ハイセレニン、セレニカRなど)
07.ゾニサミド(エクセグラン)
08.ガバペンチン(ガバペン)
09.フェノバルビタール(フェノバール、ルピアール、ワコビタールなど)
10.クロバザム(マイスタン)
* 不適切
09.フェノバルビタール(フェノバール、ルピアール、ワコビタールなど)
10.クロバザム(マイスタン)
11.クロナゼパム(ランドセン、リボトリールなど)
12.エトスクシミド(エピレオプチマル、ザロンチンなど)
表5.症候性局在関連てんかんの
「複雑部分発作」の初期治療
に用いる薬剤:
* 適 切
01.カルバマゼピン(テグレトール、テレスミン、レキシンなど)
02.ラモトリギン(ラミクタール)
03.レベチラセタム(平成22年登場予定)
04.トピラマート(トピナ)
05.フェニトイン(アレビアチン、ヒダントールなど)
06.ゾニサミド(エクセグラン)
07.バルプロ酸ナトリウム(デパケン、ハイセレニン、セレニカRなど)
* 中 間
04.トピラマート(トピナ)
05.フェニトイン(アレビアチン、ヒダントールなど)
06.ゾニサミド(エクセグラン)
07.バルプロ酸ナトリウム(デパケン、ハイセレニン、セレニカRなど)
08.ガバペンチン(ガバペン)
09.フェノバルビタール(フェノバール、ルピアール、ワコビタールなど)
10.クロバザム(マイスタン)
* 不適切
09.フェノバルビタール(フェノバール、ルピアール、ワコビタールなど)
10.クロバザム(マイスタン)
11.クロナゼパム(ランドセン、リボトリールなど)
12.エトスクシミド(エピレオプチマル、ザロンチンなど)
表6.症候性局在関連てんかんの
「二次性全般化発作」の初期治療
に用いる薬剤:
* 適 切
01.カルバマゼピン(テグレトール、テレスミン、レキシンなど)
02.ラモトリギン(ラミクタール)
03.レベチラセタム(平成22年登場予定)
04.トピラマート(トピナ)
05.フェニトイン(アレビアチン、ヒダントールなど)
06.バルプロ酸ナトリウム(デパケン、ハイセレニン、セレニカRなど)
07.ゾニサミド(エクセグラン)
* 中 間
04.トピラマート(トピナ)
05.フェニトイン(アレビアチン、ヒダントールなど)
06.バルプロ酸ナトリウム(デパケン、ハイセレニン、セレニカRなど)
07.ゾニサミド(エクセグラン)
08.ガバペンチン(ガバペン)
09.フェノバルビタール(フェノバール、ルピアール、ワコビタールなど)
10.クロバザム(マイスタン)
* 不適切
10.クロバザム(マイスタン)
11.クロナゼパム(ランドセン、リボトリールなど)
12.エトスクシミド(エピレオプチマル、ザロンチンなど)
以上、原著の情報量は膨大ですので、今回、「初期治療」の部分だけをご紹介しました。
また、スペースの都合で、図表ではなく箇条書きにしたため、長たらしくなってしまいましたが、ご自分に必要なところだけ見ていただければ宜しいかと思います。
こちらでは、英国NICEのてんかん診療ガイドラインとは異なり、国産の抗てんかん薬であるゾニサミド(エクセグランなど)も含まれています。
この項終了
平成22年2月10日(水):公開
岐阜のてんかん専門クリニック、なかむらクリニック:提供